もう連絡は来ないって、分かっていた

恋愛心理

分かっていた。


たぶん、

もう連絡は来ない。


そんなこと、

本当はずっと前から分かっていた気がする。


最後のやり取りから、

何日も経っていたし。


相手の気持ちも、

なんとなく分かっていた。


それでも、

スマホを見てしまう。


通知が鳴るたびに、

少しだけ期待してしまった。


期待するたびに、

違う名前が表示された。


そしてそのたびに、

少しだけ寂しくなった。


18時12分

仕事帰りだった。


信号待ちをしながら、

何気なくスマホを開いた。


通知はなかった。


別に驚かなかった。


来ていないことなんて、

もう慣れていたから。


でも、

確認してしまった。


もしかしたら。


そんな気持ちが、

どこかに残っていたのかもしれない。


音が鳴るたびに

コンビニ。


電車。


家のソファ。


通知音が鳴るたびに、

少しだけ期待した。


でも、

表示されるのは違う名前。


ニュースアプリだったり。


広告だったり。


友達からの連絡だったり。


そのたびに、

「ああ」

と思った。


がっかりしたわけじゃない。


でも、

少しだけ寂しかった。


その感覚を、

うまく言葉にできずにいた。


消せなかったトーク画面

不思議だった。


もう見ない方が楽なのに。


もう終わっていることくらい、

分かっているのに。


トーク画面を消せなかった。


開くたびに、

最後のやり取りが出てくる。


何度も見たはずなのに、

また読んでしまう。


新しい言葉が増えるわけでもないのに。


何を探していたんだろう。


今でも少し分からない。


ただ、

終わったことを認めたくなかっただけなのかもしれない。


夜の部屋

23時を過ぎていた。


部屋は静かだった。


テレビも消していた。


スマホだけが光っていた。


連絡は来なかった。


その日も。


前の日も。


その前の日も。


それなのに、

どこかで思っていた。


明日は来るかもしれない。


次は来るかもしれない。


そんなこと、

自分でも信じていなかったはずなのに。


心だけが、

少し遅れていたみたいだった。


本当に待っていたもの

今なら思う。


私は連絡を待っていたんじゃなかった気がする。


戻れる理由を待っていた。


まだ終わっていないと思える何かを、

待っていた。


だから、

通知が欲しかった。


言葉が欲しかった。


きっかけが欲しかった。


でも、

本当に欲しかったものは、

連絡そのものじゃなかったのかもしれない。


少しずつ

ある日、

気づいた。


スマホを見る回数が減っていた。


通知を確認する癖も、

少しずつなくなっていた。


忘れたわけじゃない。


吹っ切れたわけでもない。


ただ、

期待することに疲れていたのかもしれない。


それは少し寂しくて、

少しだけ安心することでもあった。


まとめ

もう連絡は来ない。


たぶん、

本当は分かっていた。


でも、

心はそんなに器用じゃなかった。


頭より少し遅れて、

現実を受け入れるみたいだった。


だから私は、

何度もスマホを見た。


通知が鳴るたびに期待した。


違う名前を見て、

少しだけ寂しくなった。


あの日の私は、

連絡を待っていたんじゃなかった気がする。


終わったことを、

まだ終わっていないと思いたかっただけだったのかもしれない。


だからもし今、

同じようにスマホを見てしまう夜があるなら。


無理に忘れなくていいと思う。


心は、

頭より少し遅れて歩くことがあるみたいだから。


あの日の私も、

たぶんそうだった。

もう連絡は来ない。


そんなこと、

本当はずっと前から分かっていた気がする。


それでも期待してしまった。


通知が鳴るたびに。


スマホを開くたびに。


たぶん私は、

連絡を待っていたんじゃなくて、

終わりを受け入れられる理由を探していたのかもしれない。


そんな夜の少し前、

私は「大丈夫」と言いながら、

全然大丈夫じゃなかった。


その頃の話はこちら。

▶︎ 大丈夫って言った夜ほど、大丈夫じゃなかった

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