嫌いになったわけじゃない。その言葉が一番苦しかった

恋愛心理

嫌いになったわけじゃない。

その言葉を聞いた時、少しだけ安心した。

本当に少しだけ。

だって、嫌われたわけじゃないんだと思ったから。

まだ何か残っている気がしたから。

でも、その安心は長く続かなかった。

たぶん数秒だったと思う。

そのあとに続いた言葉で、全部分かってしまったから。

「でも…」

その一言で、終わるんだなと思った。

別れ話の夜

不思議だった。

大きな喧嘩をしたわけじゃない。

怒鳴り合ったわけでもない。

どちらかが悪いわけでもなかった。

ただ、前みたいには戻れないんだろうな。

そんな空気だけがそこにあった。

そしてあなたは言った。

「嫌いになったわけじゃない」

私はうなずいた。

でも、本当はその先の言葉を待っていた。

聞きたくないのに、聞かなきゃいけない言葉を。

優しさが残酷だった

今なら分かる。

あの言葉は優しさだったんだと思う。

傷つけたくなかったんだと思う。

最後まで優しくいたかったんだと思う。

でも、あの頃の私には少し優しすぎた。

もし、

「もう好きじゃない」

そう言われていたら。

もっと泣いたと思う。

もっと傷ついたと思う。

でも、もっと早く諦められたかもしれない。

嫌いになったわけじゃない。

その言葉は希望を残す。

だから苦しかった。

終わったはずなのに、終わった気がしなかった。

帰り道を覚えている

別れ話の内容はあまり覚えていない。

不思議なくらい覚えていない。

でも帰り道だけは覚えている。

駅まで歩いた夜道。

少し冷たい風。

信号待ちの時間。

ポケットの中のスマホ。

何度も思った。

何がダメだったんだろう。

何が足りなかったんだろう。

どこから変わってしまったんだろう。

でも答えは出なかった。

今でもたぶん出ていない。

悪者がいない恋

苦しかった理由は、誰も悪者じゃなかったからだと思う。

浮気されたわけじゃない。

裏切られたわけじゃない。

傷つけられたわけでもない。

ただ、気持ちの大きさが変わってしまった。

それだけだった。

だから怒れなかった。

責めることもできなかった。

怒れる恋は終われる。

でも、怒れない恋はなかなか終われない。

ずっと心のどこかに残る。

深夜2時のトーク画面

別れて何日か経った夜だった。

眠れなくて、昔のトークを開いた。

「会いたい」

「早く会いたい」

「今日もお疲れさま」

そんな言葉が並んでいた。

全部、本当に言ってくれていた言葉だ。

嘘じゃなかった。

その時は本当に好きでいてくれた。

だから余計に苦しかった。

嘘だったなら楽だった。

最初から何もなかったなら楽だった。

でも違った。

ちゃんと幸せだった時間があった。

ちゃんと愛されていた時間があった。

だから終わりを受け入れられなかった。

本当に手放せなかったもの

しばらくして気づいた。

私が手放せなかったのは、相手だけじゃなかった。

あの頃の自分だった。

連絡が来るだけで嬉しかった自分。

会える日を楽しみにしていた自分。

未来を信じていた自分。

その全部を手放せなかった。

だから離れられなかった。

だから前に進めなかった。

まとめ

嫌われたなら、まだ分かりやすかった。

でも違った。

嫌われたわけじゃない。

それなのに終わった。

そのことが、ずっと分からなかった。

嫌いになったわけじゃない。

たぶん、その言葉は優しさだった。

でも、あの日の私には少し優しすぎた。

終わったことより、

終わったと認めることの方が苦しかった。

そして今でも、たまに思う。

嫌いになったわけじゃないなら、

どうしてあんなに遠くなってしまったんだろう。

その答えだけは、まだ見つかっていない。

嫌いになったわけじゃない。


その言葉は優しさだったのかもしれない。


でも、

その優しさが残ったから、

私はなかなか終われなかった。


終わったはずなのに、

心だけが置いていかれたままだった。


そして気づけば、

好きなのかどうかも分からなくなっていた。


それでも離れられなかった夜についてはこちら。

▶︎ もう好きじゃないかもしれない。それでも離れられなかった

コメント

タイトルとURLをコピーしました